ブログ!七転び八起き

出版編集者→ITスタートアップ起業→臥薪嘗胆準備中な人が中の人のブログです。

なんと15分の1!レジなし店舗AmazonGoと一般コンビニの違いは革命的

2018年1月23日にアメリカ シアトルで一般客向けにもオープンした無人・レジなしコンビニAmazonGo。日経電子版が詳報を出しています。

www.nikkei.com映像中の利用者の感想が革命的なユーザー体験を端的に示しています。

難しいことは何もない。店に入って品物をとって出るだけ。クールだ

「なるほど」と思って整理してみました。

AmazonGoは3STEP

無人&レジなしのAmazonGoはたったこれだけ!

  1. QRコードをゲートでかざして入店
  2. バッグに欲しいものをどんどん入れて
  3. お店を出る

日本のコンビニは15STEP

他方、日本のコンビニだと5倍の手間がかかります。

  1. お店に入り買い物かごを手にする
  2. 購入商品をカゴに入れる
  3. レジへ並ぶ
  4. 数十秒〜数分待つ
  5. 順番が来たら商品を入れたカゴを店員に渡す
  6. 「ポイントカードはお持ちですか?」と聞かれる
  7. 財布からポイントカード取り出し店員へ差し出す
  8. ポイントカードをリーダーに店員が通す
  9. ポイントカードを返してもらい財布に戻す
  10. バーコードリーダーで商品のバーコードを店員が読み取り各商品の価格を確認
  11. 商品をレジ袋に店員は入れる
  12. 店員から合計金額を告げられる
  13. お札や硬貨で店員へお金を渡す
  14. お札や硬貨でお釣りを店員から受け取る
  15. レジ袋に入った商品を手に店を出る

店員が行う動作の間も客は待たされます。このかったるさ&レジ前行列が苦痛で我慢ならず、私はコンビニにほぼ行かなくなりました。

このユーザー体験の差、なんとかしないとみんなAmazonGoを選ぶと思うのですが?

私たち客は暇人ではないのです。

ユーザー体験にある天と地の差は致命的

このニュースに対して、NewsPicksのコメント欄では

  • 大量に設置されたカメラで店舗内における客の導線をWeb同様にトラッキングできる
  • ある商品を客が手に取る→棚に戻すといった客の心情が現れる挙動も含めたビッグデータの活用

などの指摘がありました。

確かにそうです。Webと同じく実店舗のレイアウトもデータドリブンで改良できるようになります。第六感やセンスに頼る店舗リニューアルなんて古めかしい時代がいよいよ終わりを告げます。

また、日本でレジ自動化の施策として進められているICタグでは上記の利点はありません。ICタグの時代は始まる前に終わってしまうのでしょうか…。

とはいえ一番気になるのは冒頭で比較したユーザー体験の差。いち消費者として一刻も早く日本にもAmazonGoが上陸して欲しいものです。

サービス設計で悩むプロジェクトリーダーは些事を捨て演繹法でイノベーション

新しいサービスやプロダクトを作ろうとすると、周りから様々な酷評や圧力に遭遇することがあります。それで心が折れそうになるプロジェクトリーダーもいらっしゃるかも知れません。

でも、思い起こしてください。

スマートフォンという新たな領域を作ったiPhone。10年前の2008年当時、日本で発売された直後はiPhoneでさえもボッコボコに叩かれていました。

iPhone3Gは10年前の日本では猛バッシング

iPhoneが日本でも発売開始された直後の2008年夏。1995年から13年間も使っていたPHSからiPhone3Gに私は乗り換えました。

2008年当時はmixi(懐かしい)でも2ch(懐)でもiPhoneはバッシングの集中砲火。

  1. ワンセグを見られないw
  2. 赤外線通信(懐)ができないw
  3. おサイフケータイを使えないw
  4. SDカードを入れられないw
  5. っていうか、iPhone3Gは重すぎw

その後、iPhoneがどうなったかは皆さんご存知のとおり。「iPhoneは駄目。使えない。売れない」というトンデモ評価が日本ではなぜ蔓延したのでしょうか?

日本とシリコンバレーにおける論理的思考の違いが原因

前掲のバッシングに象徴されるのはスペック至上主義(全部入り好き)が背景にあります。では、スペック至上主義はどこから生まれるのか? その背景を考察した以下の記事が興味深いです。

diamond.jp上記記事で詳述されている「帰納法発想」が、日本人&メーカーのスペック至上主義が生まれる原因だとすると腹落ちします。

日本:帰納法的アプローチで開発

帰納法とは次のように定義されています。

個別的・特殊的な事例から一般的・普遍的な規則・法則を見出そうとする論理的推論の方法のこと。

出典:Wikipedia

さまざまな個別・特殊な事例から結論を導き出すのが帰納法。これがプロダクト開発の現場だと…

  1. ユーザーインタビューを行い
  2. 個々のユーザーの意見帰納法的に取り扱うことで
  3. ユーザーの意見すべてをプロダクトに取り入れようとする

上記のように「10人の意見を全部取り入れるパターン」もあれば「10人の意見をあつめて10で割る」というのも帰納法的開発手法の誤謬にあてはまります。

シリコンバレー演繹法的アプローチで開発

他方、記事中にある「演繹法発想」だと全部入りとは無縁です。

演繹法とは次のように定義されています。

普遍的な前提から、より個別的・特殊的な結論を得る論理的推論の方法

出典:Wikipedia

つまり、先に普遍的な前提があるのが演繹法。これがAppleの場合だと…

  1. スティーブ・ジョブズが「欲しい!」と思ったものを作る
  2. それを市場に出す

ジョブズが欲しいと考えたものが普遍的な前提扱いなのです。

そりゃ、竹を割ったようなクリアなプロダクトになりますよね。10人の意見を全部取り入れるわけでもなく、10人の意見を足して10で割ったわけでもないのですから。

データドリブン開発はどうなのよ?

シリコンバレーといえば、テストから得られた各種指標(データ)をもとにプロダクトを作る「データドリブン開発」もよく使われています。

「それって、個々のユーザーの意見を取り入れているのでは?」と思いがちですがそうではありません。

データが示した結果から「ある仮説が間違っていた」という結論をスパッと出すのです。先のAppleの例だと…

  1. ジョブズが『欲しい』とした◎◎を市場は求めていなかった」という結論を得て
  2. 次の仮説を新たにたてて開発を進める

…わけです。帰納法的アプローチの「全部取り入れる」「足して割る」という手法とは無縁です。

私たちが磨くべきは演繹法的思考

引き算が肝要なUIUXの組み立てにも、この「演繹法発想」はうまく合致します。

初代iPhoneがホームボタン以外の物理ボタンを一掃なんて、ユーザーインタビューを繰り返していたらできません。「戻るボタンが欲しい」などいろんな意見がユーザーから飛び出すわけですから。

つまり、日本で働く私たちに不足している=磨くべきは「演繹法的思考」。「普遍的な前提は何なのか?」を日々の仕事でも常に問い続けていきたいですね。

レジなしコンビニAmazonGoが一般客にも遂に解放

2016年12月以来、Amazon社内でのテストが続いていたレジなしコンビニAmazonGo。2018年1月22日に一般客にも遂に解放されるそうです。

techcrunch.com

  1. AmazonGoアプリでQRコードを生成
  2. そのQRコードを店舗入口のゲートで読み取る

という手順で入店。QRコードなんだー。

それにしても天井にある大量のカメラが凄いです。天井の雰囲気は「どこの撮影スタジオ?」という感じも。

  • 天井に大量配備されたカメラには2種類がある
  • カメラでは来店者の顔を認識はしていない(プライバシー対策)
  • 商品棚には重量センサーを設置。バッグに商品が入れられた(=購入)を棚重量の変化で検知
  • 出入り口には、アプリの操作方法を説明する係員がいる(日本の無人レジと同じ状況)
  • AmazonPrimeメンバーでも値段は安くはならない(残念)

…というのは初情報でしょうか。

商品をポンポンと自分のバッグに放り込める快感に、記事筆者も感銘を受けていますね。レジなし無人のAmazonGoが日本で開店する日がはやく来て欲しいものです。