ブログ!七転び八起き

出版編集者→ITスタートアップ起業→事業開発コンサルをやっている太田祥平のブログです。

リスクなしで事業を成功させたいと妄想するあなたが読むべき与沢翼ツイート2選

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イケハヤさんのブログでまとめられていた与沢翼さんの連投Tweet。リスクとの付き合い方について、与沢翼さんの指摘はとても示唆に富んでいます。

情報商材ビジネスで財をなした与沢翼さん。ゆえに「いろいろと思うところがある方」ですが、以下の2つのツイートは納得感があります。

大きいリスクがあるから大きい利益はもたらされる

これ、文字にすると当たり前感があります。

ところが、ビジネスの現場では「リスク取ったやつの中から勝者が出」るということを素で理解していない人が業界を問わず存在します。

  • ノーリスクで起業して、ベンチャーキャピタルから資金調達。ゆくゆくはIPOしたい
  • ローリスク・ハイリターンのビジネスモデルがどこかにあるはず

こういうことを平気で言う人がいるのです。信じられないことに!

ローリスクハイリターンなビジネスモデルがあるなら、スタートアップに投資しないで自社でやりますってw

リスクは時間とバーターされる

「時間が経過するとリスクを低減させられる」とする与沢翼さんの発言。

資産総額932億ドル(10.13兆円)を誇る投資家 ウォーレン・エドワード・バフェットさん。バフェットさんは短期投資ではなく長期投資で財をなしています。ウォーレン・バフェットの長期投資手法と通じる考え方といえますね。

  1. リスクがあるところに富は生まれる
  2. リスクをさけつつ富をなしたいなら時間をかける

与沢翼さんの連投ツイートからは上記2つが読み取れます。
ただ、参入障壁が低く競合が多くいる(あるいは多く出てくる可能性が高い)ビジネスの場合は時間をかける=競合に打ちのめされることを意味します。

すなわち経営者や事業担当者がとるべき戦略は次の2つといえそうです。

  1. 【Aパターン】自らのビジネスには参入障壁がない → 競合が多そう → 時間はかけられない → リスクを取りスピーディーに事業拡大
  2. 【Bパターン】自らのビジネスは参入障壁がある → 競合が参入しにくい → 時間をかけてもOK → リスクを下げるため時間をかけて事業を行う

投資家にも2パターンある

投資を行うベンチャーキャピタルの中には「参入障壁があるかどうか」を問う担当者がいます。それはたとえば「参入障壁となる特許をスタートアップが持っているかどうか」という質問に現れます。

これ、【Bパターン】になりますね。

ただ、ベンチャーキャピタルの多くは投資の際にファンドを組成しています。「ファンドには償還期限があるのに、時間をかけて大丈夫なの?」という気がします。実際、大丈夫じゃないと思いますが…。

他方、多くのベンチャーキャピタルや投資家は【Aパターン】を意識。スタートアップに、リスクをとりつつスピーディーなグロースを求めます。

これらを踏まえても、与沢翼さんの指摘は実に的を射ている印象があります。地頭が良い方なのですね。情報商材ビジネスの方ではありますが…。

 

 

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EC好きに朗報!楽天とウォルマートの提携で楽天西友ネットスーパー誕生へ

ビッグニュースが飛び込んできました。

netshop.impress.co.jp「敵の敵は味方」ということでしょうか。Amazonとの仁義なき戦いが始まる?

EC好きの私は、ウォルマート傘下の西友が運営するネットスーパー SEIYUドットコムの強化に期待。

月額費を払うと低価格で食品が購入可能だった会員サービス「ビッグセーブ」を西友ドットコムは2018年1月末で終了。ビッグセーブ愛用者の私としては西友ドットコムのサービス縮小傾向が残念でした。前掲記事によると

楽天が手がけるネットスーパー事業「楽天マート」は今後、西友と共同運営する「楽天西友ネットスーパー」に「統合していく」(三木谷浩史社長)。

楽天西友ネットスーパーが誕生。さらに楽天マートも取り込む。サービス面で相当本気の攻めへ転じそうですね。

西友ドットコム愛用者の一人としてとても嬉しいです。

 

 

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店舗の売上向上をしたい人はヒートマップに注目!メガネ店に学ぶデータドリブンな店舗レイアウト変更

 

店舗の天井に大量のカメラを配置。それにより無人レジなしコンビニを実現したAmazon Go

これにより、ネット通販以外のオフライン店舗である実店舗でも、ウェブ同様に客の導線をトラッキング(追跡)できるようになります。

客の動きをトラッキング&改善施策を行うと各種数値がUp

すなわち、客が店舗内でどのように移動して

  • 購買に至るか
  • 買い物をせず店舗を立ち去るか

これらをデータ化できるようになるのです。

他方、Amazon Goと同様に客の導線をトラッキング化・データ化する事業を日本で行っているITスタートアップがあるという記事が以下です(NewsPicks有料記事)。

newspicks.comそのスタートアップとはABEJA(アベジャ)。私がITスタートアップ・えがおの本を経営していた2013年、同社代表の岡田さんにとあるプロジェクトでいろいろ相談をしていました。

2013年当時、顔認識システムをアベジャは全面に押し出していたはずです。

その顔認識技術を2018年現在は、リアル店舗のデータ収集&解析ビジネスとして利活用しているのですね。

さて、本題は先のNewsPicks有料記事。

事例として出されている、老舗メガネ店でのデータに基づいたレイアウト変更のテスト結果と売上向上&離脱率低下が興味深いです。

取得解析したデータ

  • 来店者の顔認識による年齢・性別といった属性取得
  • 来店者の店内での行動を滞在・交通量を示すヒートマップ化(店舗内の俯瞰図で赤味が強い部分が滞在時間が長い場所←→青味が強いと素通りしている場所)

それを踏まえての目標設定

  • 来店者を増やす
  • 来店者の滞在時間を長くする
  • 店の奥まで来店者に入ってきてもらう

試行錯誤

  • 店の最前面は、格安メガネ(ノンブランド品)ではなく1万円超のメガネ(ブランド品)に変更

 →滞在時間増→格安メガネのJINSなどと違い価格訴求は有効ではないと判明

  • 店頭奥へ向かうに従って価格帯をUpする「価格帯ゾーニング」でのレイアウトに変更

 →滞在時間増&店舗奥まで客が入るようになった

  • 何を置いても滞在してもらえない「店舗内の死角」には、問い合わせが多い商材(子どもメガネ)を配置

 →滞在しない場所へ問い合わせ客を誘導する。それによる店全体のパフォーマンス増

店長や店員の印象とは異なるのがヒートマップ

前掲の試行錯誤にあるような施策で同店は各種数値が向上し売上増も叶えたそうです。また、記事中での以下の指摘はとても興味深いです。

店員は「年配層の客が多い」という感覚を持っており、われわれの集計だと20〜30代の客は35%ほどでした。
しかし、アベジャのデータでは、20~30代の客が実に「60%」を占めるという数値がでたのです。

店頭だけチラッと見て離脱する客は店員の印象には残りません。接客した相手の印象が強く残るのが店員(人間)です。

それを、店舗内の客の行動をヒートマップと来客者の性別年齢属性で分析するとまるで異なる結果となる…。

  • 年齢層が実は低いとデータで判明

   ↓

  • 若年層向けのメガネラインナップを強化

   ↓

  • 売上増

という施策による変化は「なるほど〜!」という感じですね。ちなみに、アベジャの技術は顔認識から年齢と性別も推定できるシステムです。

社員の印象に基づいた議論よりデータに基づいた改善が有効

多くの会社の会議では、社員おのおのが自分が持つ印象や業界常識で「あーだ」「こーだ」と持論を展開してプロジェクトを進めようとします。

ですが、このメガネ店での実例でわかるようにデータに基づいた(=データドリブン)施策こそが売上増に結びつきます。

私たち自身のビジネスでも「データドリブンこそが売上増につながる」という原則を踏まえて仕事を行いたいですね。

 

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