史上二組目!?北朝鮮新婚旅行記その3
▲祖国解放戦争勝利記念館にやってきました。朝鮮戦争を北朝鮮では「祖国解放戦争」と称しています。かつ、ガイドさんが話すときは「アメリカが引き起こした祖国解放戦争」と必ず枕詞が付く次第。
館内の展示や館内で見たビデオなど含め「アメリカが引き起こした戦争」という軸ですべて統一されています。おそらくは北朝鮮の歴史教育でもそう教えられているのでしょう。
さらに「共和国がアメリカを打ち破った戦争」という面も強調されます。そこで上の写真にあるようにアメリカ軍から奪ったという兵器類の展示が多くあるのも特徴です。
▲生々しい戦争の記録の次は、万景台学生少年宮殿を訪問。ここは、7歳〜17歳の少年少女がそれぞれの才能を伸ばすべく課外授業に励む施設。
▲こんな感じで小学生くらいの子供たちが絵をお手本に刺繍を黙々としていました。ただこの模様も観光ルート化されています。他の欧米人ツーリストと一緒にこの模様を見学することになったので…。
▲万景台学生少年宮殿には少年少女が研鑽した芸を披露する劇場まであります。サーカスみたいな曲芸・演奏などいろいろな出し物がありました。
▲万景台(マンギョンデ)といえば、金日成の生家があることでも有名。近隣地区とは異なり、生家が近くなると道路もいきなりキレイになりました。また、生家の周囲は公園として整備されています。
生家自体も、柱は当時そのままのようですが壁はコンクリート化されてます。「観光地」として整備されているなー、という感じがしましたね。
ちなみに、金日成が幼少期に飲んでいた井戸から出る水は「革命の水」と呼ばれているとのこと。北朝鮮国内観光者と思しき人々が群がってその水を飲んでいたのは印象的でした。
▲一挙に160kmほど離れてやってきたのは、38度線。韓国との休戦ラインです!
この写真は、板門店へ続く道路脇にずらりと並んでいるコンクリートの塊。おそらくは、このコンクリートを有事の際には道路に落として戦闘車両の通行を阻むのかもしれません。
▲これが休戦ライン上にある「中立国監視委員会」と「軍事停戦委員会」の本会議場。テレビでよく見る建物です。ただ、緊張感みなぎる…なんてことはなく国連兵(=米兵)や韓国兵の姿もみえません。ここさえも観光地化している感じ。
▲朝鮮半島内で北と南を自由に行き来できるのはこの建物内だけ。そう聞いて僕と相方がこの部屋内をうろうろしたのは言うまでもありません。(^_^;)
ちなみに奥に見えるのは北朝鮮兵士です。
▲ずいぶん端折った感じはしますがいよいよ北朝鮮出国! ごらんの写真は僕らが出国時に利用した高麗航空の機体です。北京→平壌時のエアチャイナの飛行機と違い真新しいTu-204-100。シートも合皮張り。シートピッチもゆったり。なかなかの乗り心地でした。
実は、事前情報では北朝鮮出国時にかなり細かく荷物チェックをされると聞いていました。ところがです! まるでノーチェック(^_^;)
- 朝鮮国内で購入した書籍
- 朝鮮国内で購入したDVD
- 朝鮮国内で撮影した写真
- 朝鮮国内で撮影した動画
…すべてスルーでした。しかも、動画撮影したムービーはGPS機能が搭載されていたのです! もちろんそのGPS機能は「オフ」にしていましたが、GPS機器の持ち込みが北朝鮮では制限されているため「出国時に揉めるだろうなー」と覚悟していたのに「まるでスルー」。
入国時のチェックも含めて考えると北朝鮮の出入国手続きはかなり寛容なようです。もちろん、
- ビザを取得する際に入国する僕らに関して調べつくしている(予想)
- 北朝鮮国内の移動はすべてガイドがぴったりついていた(事実)
という点がバックグラウンドにあるからでしょうが。
というわけで僕らの「北朝鮮新婚旅行記」は終わります。
「その1〜その3」で触れなかった、「北朝鮮での僕らの食事」「社会主義リアリズム美術」について「その4」に明日まとめようと思います。