ブログ!七転び八起き

出版編集者→ITスタートアップ起業→事業開発コンサルをやっている太田祥平のブログです。

村上春樹は、IT起業家思考の持ち主だった!

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表題を見て「えがおの本を休止して太田もついに頭のネジが吹き飛んだか…」と同情した皆さんちょっと待って下さい。

 

村上春樹さんが読者の質問に期間限定で答えている「村上さんのところ」で春樹さんは次のように記しています。

小説に即していえば、空想を書いていただけでは小説になりません。自分の中にある物語を深いところから掘り起こして来なくてはなりません。ゼペットじいさんが木の塊の中からピノキオを見つけ出すみたいに。つまりゼペットじいさんはピノキオを作ったのではなく、見つけ出したのです。だからこそピノキオは生命を持つことができたのです。

空想とは物語の萌芽なのでしょうか? - 村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト

 

ココで言う「空想」とはITスタートアップの多くが持っている「仮説」「ビジネスモデル」も同じですよね。それを形にしただけではモノにならないと村上さんは言っているわけです。

 

ではどうすればモノになるのか。

 

「木の塊の中からピノキオを見つけ出す」という事がそこに至る道であるわけです。私を含めたITスタートアップの失敗例の多くがそこを勘違いしているか理解が浅いのです。

 

ダメなスタートアップ

「世界を変えるサービスを作ってやる!」

春樹さん的なイケているスタートアップ
「ゼペットじいさんはピノキオを作ったのではなく、見つけ出したのです」

 

つまり、空想である「仮説」「ビジネスモデル」よりもピノキオを見つけ出す作業こそが重要。そうして初めてあなたのプロダクト=「ピノキオは生命を持つことができ」る。

 

ピノキオを見つけ出す手法は「ABテスト」の繰り返しや「グロースハック」かもしれません。でも、頭の悪いボクはそうした手法を魂の奥底から理解してなかったわけです。春樹さんの言葉に触れて遅まきながら痛感できました。春樹さんの言葉でボクみたいなアホもついにわかったわけです。

 

春樹さんがいうように、それを見つけ出す作業は「深いところから掘り起こして来」る作業。一筋縄ではいきませんよね。多くのスタートアップがそこで苦労しているように。

 

あー、えがおの本をやっている時に春樹さんの言葉に出会いたかったなー!