ブログ!七転び八起き

出版編集者→ITスタートアップ起業→事業開発コンサルをやっている太田祥平のブログです。

【小売】顧客無視なら失敗!?伊勢丹新宿が始めるオンライン接客

コンビニも含まれるセブン&アイを除くと、百貨店業界国内首位である三越伊勢丹ホールディングス

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百貨店業界のシェア

その旗艦店である伊勢丹新宿店が大きい決断をしました。

www.nikkei.com

百貨店さえも、全商品をネットで販売を始めることになりました。このニュースだけを切り取ると、

 

「高級品がネット販売で売れるの?」

 

――という疑問が頭に頭に浮かぶかもしれません。

自動車でさえスマホで売る時代が始まっている

でも、自動車販売でこんな取り組みをボルボ日本法人が始めています。

 

www.itmedia.co.jp

 ボルボだけではありません。日産も取り組みを開始。日産は、接客だけではなく納車までスマホで完結という徹底ぶりです。

www.nikkei.com

伊勢丹新宿店のネット接客の不安要素

ですが、伊勢丹新宿店の取り組みには不安要素があります。

 

ボルボのオンライン接客は「車を買うという体験と接客は不可分」という意味で腹落ちはありました。

 

他方 小売業態において、2020年にネット販売(EC)が急拡大した背景は「新型コロナ禍」。ですが、ここ20年間でECがシェアを徐々に拡大し続けてきた理由として、

  • 「接客されるとわずらわしい」
  • 「接客されると不要なものも買わされそう」

ーーそうした接客を忌避する顧客のインサイト(心の動き)もあります。

 

ボルボと同じで、伊勢丹新宿店をひいきにする富裕層の皆さんはコンシェルジュ的なサービスをオンラインにも求めているとするならば勝算はありそう。

 

ただ、伊勢丹新宿店の「全商品をネット上で接客し販売する。専用アプリ」が

 

「接客するリソースが自社にあるからネットでもやってみようか」

 

みたいな伊勢丹新宿店都合のプロダクトアウト(お客様目線ではなく提供側目線)でやろうとしているならば、接客を忌避する顧客のインサイトをないがしろにしているゆえに失敗する可能性が大。

今後の伊勢丹新宿店の動きから目が離せませんね。

【飲食店】手間ゼロ!なのに効果大!SNS動画コンテンツの作り方

「イラストや漫画を描く様子を流すネットライブ」や「農作業を流すネットライブ」が人気という記事。

www.itmedia.co.jp

音楽以外のクリエイター向けライブ配信・ドキュメント配信というアイデアは、スタートアップ界隈でコンテンツビジネスに携わるひとはアイデア出しで出したことがあるネタかもしれません。

わたしもそうですしw 今回の取り組みは、

  1. それを形にした点
  2. クリエイターだけでなく「作業のライブ配信」にも拡張

この2つで「なるほど!」と感動。

 

さらに! 畑作業のライブなどをコンテンツ化とは面白いですね。

 

こうした作業風景を流すライブ配信は2つの活用法が出てくると思います。

従業員向けの動画マニュアル作り

1つめは、「作業工程の動画マニュアルづくり」への展開。

 

コメントがついた部分は「みんなが目からうろこな部分」として「作業工程マニュアル」動画の編集ポイントとしてフラグが立つ…みたいな感じです。

 

ちなみに、農作業の動画マニュアル作成ITスタートアップも存在しています。

thebridge.jp

今回の作業配信。作業マニュアル動画の撮影&編集を楽にする可能性がビシビシあります。

手間なし!なのに効果あり!お客さま向けのSNS動画コンテンツ

2つめは、飲食店の厨房ライブ。

  • (新型コロナ禍なら)衛生管理にここまで気をつけているんだ!!
  • こうやって材料の下ごしらえをやっているのか!?

現場の様子を動画コンテンツとして、You TubeInstagramの生配信で流す活用法です。

 

わざわざコンテンツを制作するコストや手間もゼロ。なのに、お客さまやお客さま候補は観てて楽しい。

 

そうした活用法の世界も見えてきたと言えそうです。

【マーケティング】SNSの使い方をまるで分かっていない法人・ブランドアカウントにひと言

下記の記事を読んで「?」が浮かびました。

forbesjapan.com

特にこの部分です。

あらゆるメッセージが投稿されるSNSは、“ラグジュアリーな”ものではない。ソーシャルメディアは(高級ブランドが狙う一部の)「クラス(階級)」向けではなく、「マス(大衆)」向けのものだ。


ボッテガ・ヴェネタSNS閉鎖は「マス」云々が原因ではないです。InstagramYou Tubeもそもそも、

  1. 個と個が結びついているように錯覚させる
  2. そうして、フォロワーがアドレナリン全開

…となるプラットフォーム。

 

皆さん自身、InstagramYou Tubeでフォローやチャンネル登録しているアカウントは大部分が個人アカウントのはず。ブランドやメーカーのアカウントは眼中にないですよね? 例えるなら、

 

この文脈でかつて、個を活用したインフルエンサーマーケティングや アンバサダーマーケティングなどがInstagramYou Tubeで現れました。

 

ですがそれさえも(以下自粛w

newspicks.com

じゃあSNSはどう使うか?

InstagramerやYou Tuber自身がブランドやメーカーを立ち上げるフェーズに移行しつあるのが現在の流れです。

 

わたしが立ち上げに関わったとあるブランドも同様のパターン。

 

楽天市場史上3例目となる「出店初日デイリートップ」を獲得したのもそうしたトレンドに乗っかったのが勝因でした。

 

法人や店舗がSNSを運用する場合はせめて、

  1. ブランドや企業を擬人化したキャラクターで運用(いわゆる「中の人」の投影)
  2. 社内の名物社員名アカウントを運用。そのアカウントで会社がやっていることをさり気なく流す

こうした使い方なら「個」を有効活用したSNS利活用ができますよね。