オンラインライブ市場の急拡大から見えるオンラインとリアル併用の大切さ
オンラインライブ市場が急拡大と読売新聞が伝えています。
www.yomiuri.co.jpオンラインイベント事業の立ち上げ支援を行っていた立場から3点気になる点があります。
【1】超ビッグネームだけが恩恵に浴するわけではない
「有名人一人勝ち」というのは売上額のみに注目しすぎかもしれません。
新型コロナ禍でファンとのつながりを維持しておきたい。でも、既存のSNSはその役割を果たしていない
ーーそうしたニーズを満たすのもオンラインライブ。サザンや嵐のようなビッグネームでなくても活用するメリットはあるようですよ。
【2】最高音質と画質は必要ではなさそう
他のオンラインサービスと同じく視聴者の9割はスマホからオンラインライブを視聴しています。したがってオンラインライブには、最高音質や最高画質といったオーバースペックは必須ではありません。
最高音質や最高画質を求めるとコストが高すぎて【1】で触れたようにコストをまかなえるような圧倒的売上の「有名人一人勝ち」となります。
ですが、実はそこまでのクオリティーはいらない。ゆえに、【1】のようにビッグネーム以外もオンラインライブの意味合いがでてくるわけです。
【3】アーティストが新たなファンを獲得する手段とは現状なりえてない
とはいえ、新たなファンを獲得する手段としてはオンラインライブはなりえてなさそうです。したがって、新型コロナ禍が収まれば
- リアルライブで新たなファンを獲得&熱量を高めつつ
- オンラインライブで(リアルライブに行けない)既存ファンの熱量を維持
…みたいな「リアルとオンラインの併用」という形に進むのかもしれません。
https://www.shibukei.com/headline/15214/
上記の記事で下記のような調査結果が出ているとおりです。
「今後、リアルイベントが以前と同じように開催可能となった場合のオンラインイベントの開催意向」に対して、「リアルイベントのみ開催」と答えたのは5.8%にとどまり、「それぞれ開催」が71%、「リアルイベントをオンライン中継」が17.9%
オンラインの使い方は小売店や飲食店でも同様
こうしたオンラインとリアルの併用は小売店や飲食店でも同じです。
- リアル店舗:新たなファンを獲得&熱量を高めつつ
- オンライン:既存ファンの熱量を維持しつつ他店への流出を防ぐ&再来店を促す
新型コロナ禍が収まった後。オンラインとリアルをどれほど併用(Online Merges with Offline:OMOともいいます)できているかが勝負になってくるはずです。